ごあいさつ

 
                理事長

                        清 家  篤   

 

 

 私たちは今、大きな変化の時代を生きています。日本の少子高齢化は、いよいよ世界史的にも前人未踏の領域に入りました。また第4次産業革命ともいわれるような、急速に進む非連続的な技術進歩は、社会の様々な面に大きな影響を与えつつあります。


 そうした大きな変化の時代に、私立学校の果たす役割はますます大きなものとなっています。それは、とりわけ次の二つの面で明らかです。


 一つはいうまでもなく人材の育成です。少子高齢化によって労働力人口が減少する中、経済社会を持続可能なものにしていくには、少なくなった働き手一人一人の能力を高めていくほかありません。また技術革新によって仕事の多くが機械や人工知能などに置き換えられていくとき、働く人には機械や人工知能にはできないような、より高度な仕事をする能力が求められるようになります。日本の大学・短大等の高等教育に関していえば、その学生の8割を教育する私立学校なしに、こうした個人の能力向上は実現しえません。


 もう一つは、社会に多様性を確保することです。今日、社会が様々な面で多様化していることに対応して、教育や研究の面でも多様性を高めることはますます重要になっています。幼稚園から大学・大学院まで、独自の建学理念を持ち、自主独立の個性ある教育や研究活動を行っている私立学校は、この点でも大きな役割を果たすことが期待されています。


 大切なことは、そのように私立学校が、質の高い、多様性に富んだ自主独立の教育、研究活動を行うことのできる環境を整備し、発展させることです。日本私立学校振興・共済事業団は、そうした環境の整備を責務としています。それは、私立学校教育の充実を図るための「助成業務」、私立学校に働く教職員の福利厚生の向上のための「共済業務」という、二つの業務から成っています。


 「助成業務」では、@補助事業、A貸付事業、B助成事業、C寄付金事業(受配者指定寄付金、若手・女性研究者奨励金、学術研究振興基金)、D経営支援・情報提供事業により、私立学校教育を支えるために必要な業務を総合的かつ効率的に行っています。私立学校を取り巻く環境が一層厳しさを増している中、その自主独立の教育、研究活動を可能にする条件の整備はますます大切なものとなります。そのための効果的な補助金の配分、長期・低利融資の実施、寄付金募集活動の支援、経営支援・相談などの、一層の充実・強化に努めてまいります。


 「共済業務」では、@短期給付(健康保険)事業、A年金等給付事業、B福祉事業(保健・医療・宿泊・貯金・貸付け等)を運営しております。国の推進する社会保障制度改革への対応をはじめ、加入者、被扶養者、年金者の皆様のニーズに応え、その福利厚生の一層の充実向上を図るため、業務の効率的・効果的運営に努めてまいります。


 私立学校の役割増大とともに、私立学校やそこで働く教職員をお支えする私ども日本私立学校振興・共済事業団への期待もますます大きなものとなっていると考えております。今後とも私立学校、そして私立学校教職員と手を携えて、私立学校の振興と、私立学校教職員の福利厚生向上に努めてまいります。どうか皆様におかれましても、私どもの事業活動に対しまして、引き続き温かい御指導、御協力を賜りますようお願い申し上げます。