中期目標等

日本私立学校振興・共済事業団の助成業務に関する平成26年度計画

平成26年3月28日届出
平成27年2月12日変更届出


   

日本私立学校振興・共済事業団法(平成9年法律第48号)第26条の規定により、平成25年3月28日付け24受文科高第3568号で認可を受けた日本私立学校振興・共済事業団(以下「事業団」という。)の助成業務に関する中期計画に基づき、平成26年度の業務運営に関する計画を次のとおり定める。

T 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置

1 私立大学等に対する補助事業

(1) 補助金の適切な配分を行うため、以下の取組を行う。
 @ 大学教育の質的転換や、特色を発揮して地域の発展を重層的に支える大学づくり、産 
 業界や国内の大学等と連携した教育研究、グローバル化など、組織的・体系的に取り組
 む大学改革を支援するための重点配分を行う。
 A 東日本大震災の被災地にある大学等の安定的な教育環境の整備や授業料減免等への支
 援を引き続き行う。
(2) 補助金の適正な申請及び使用を周知徹底するため、以下の取組を行う。
 @ 参加者の習熟度やニーズ等に応じたコース別の説明会を実施する。
 また、会計検査院実地検査における指摘例をもとに、申請ミスの発生要因を分析し再発
 防止に向けた説明内容を充実する。
 なお、説明内容の理解度等に関するアンケートを実施し、理解度90%以上を目指す。
 A 配分方法の変更点や申請上注意すべき点等について説明会のほか、電子窓口、私学関
 係団体の研修会及び広報誌などを通じて学校法人に対して注意を喚起する。
 B 大学等の補助事業の実施状況について実地調査を行うとともに申請事務等の指導・助 
 言を行う。
 なお、「私立大学等改革総合支援事業」に係る調査を文部科学省と協力して実施する。
(3) 申請書の記入例やQ&Aを充実するなど、調査票の様式や記入要領等の見直しを行う。

2 学校法人等に対する貸付事業

(1) 学校法人等の資金需要を踏まえ、適宜貸付対象となる事業、貸付条件の見直しを行う。また、貸付財源の安定的確保に努める。
 @ 貸付事業の利用促進方策として以下の取組を行う。
  ア 借入希望のアンケート調査などにより、今後の借入ニーズを把握する。
  イ 施設整備計画がある学校法人等を積極的に訪問し、長期低利融資や利子助成制度を
  活用した融資の利用促進を図る。
  ウ 平成26年度以降に借入を希望又は検討している学校法人等に対し、個別の相談会
  を実施する。
  エ ホームページ等を活用して貸付制度の周知を図る。
 A 貸付事業の利用を促進するため、融資に係る体制等の整備を行い、新たな融資先を開
 拓するなど融資促進活動の充実と強化を図る。
 B 学校法人のニーズを踏まえ、現行融資制度に沿った繰上償還の受入れや返済期間を短
 縮した貸付けも引き続き活用する。
(2) 貸付事業の安定的な運営を図るため、以下の取組を行う。
 @ 与信審査における事業の適切性、資金計画の妥当性、償還の確実性並びに担保物件及
 び保証人の妥当性の検証を行い、諸データの活用により与信審査の向上に努める。
 A 貸付先法人の信用格付の変化をモニタリングし、早期に経営状況等の変化を把握す
 る。また、返済期日に入金のない貸付先法人には、電話、文書、面談、実地調査などに
 よる督促を迅速に行い、3か月以上の延滞債権の発生を抑え、早期の滞納解消・回収に
 努める。
 B 長期滞納法人、貸出条件緩和法人及び将来不良債権化が予測される法人に対して、弁 
 護士等の助力を得るとともに私学経営情報センター等との連携を図り、債権の保全・回
 収に努める。
 C 平成26年度末の貸付残高に占めるリスク管理債権*の割合を3.0%以下とする。
 なお、リスク管理債権の割合を算定するに当たっては、東日本大震災により格付された
 リスク管理債権を除くこととする。
 * リスク管理債権とは、破綻先債権額及び6か月以上の延滞債権額に、3か月以上の延
 滞債権額及び貸出条件緩和債権額を加えた合計をいう。

3 学校法人等に対する経営支援・情報提供事業

(1) 学校法人の経営改善及び教育改革に向けた支援として、以下の取組を行う。
 @ 学校法人の経営状態について、経営判断指標等により、詳細なモニタリングを定期的
 に行うとともに、経営相談、講師派遣、面談、電話など様々な手段を活用して質問への
 回答、事例の紹介、経営改善方策の提案等を積極的に行う。
 なおその際には、私学経営に関する専門知識を持った弁護士・公認会計士等の人材を登
 録・管理し、学校法人の要望に応じて「専門家人材バンク」を積極的に活用する。
 また、附属病院を設置する学校法人から病院経営に関する相談が増加しているため、私
 立大学の実務経験者からノウハウを蓄積するなどして、相談体制を充実する。
 A 文部科学省と連携して経営困難な学校法人に対して、積極的に経営相談を実施する。
 経営相談にあたっては、経営困難な学校法人を問題点に応じて分類し、重要度と緊急度
 を考慮して、相談回数を増やすなど対応を強化する。
 B 教育改革に向けた支援として事例の紹介、FD支援等を実施する。
(2) 経営改善計画の作成支援及び進捗状況のフォローアップについては、次のような取組
 を行う。
 @ 学校法人が自ら経営上の問題点を見つけられる自己診断チェックリスト等の見直しと
 充実を図る。
 また、学校法人会計基準が改正されたことから、経営判断指標の改正に向けた検討を行
 う。
 A 経営困難な学校法人が自主的に経営改善計画を作成するにあたり、専門的知見を活用
 しつつ作成を支援するとともに、定期的なヒアリング等で進捗状況のフォローアップを
 行う。
 (3) 学校法人の経営改善や教育改革に資するため、私立学校の教育及び経営に関する各
 種情報の分析・提供の充実を図る。
 @ 私学経営に関する重要なテーマである財務、人事管理、教学、生徒募集対策等の分野
 にわたり高等学校法人を対象としてアンケートを実施し、最近の私学経営の動向を把握
 する。
 A 収集した情報の分析結果をホームページ等へ掲載し提供するとともに、これらに関す
 るセミナー等を学校法人に対して実施する。
    ア 平成25年度のアンケート結果を踏まえ大学・短期大学を対象に経営改革・改善を
   目的としたマネジメントセミナーを実施する。
  イ「私学情報提供システム」の利用方法やデータ分析等の活用に関する説明をマネジ
   メントセミナーで行う等、利用促進を図る。
  ウ 学校法人の理事長、大学・短期大学の学長等のリーダーを対象とした財務の見方、  
   法人分析会を中心としたリ−ダーズセミナーを引き続き実施する。
  エ 各学校法人における経営改善に関する専門性を有する人材の育成を目的としたスタ
   ッフセミナーを実施する。
  オ 学校法人の経営改善に資するため、刊行物等によって以下の情報提供を行う。
   ・ 今日の私学財政
   ・ 私立大学・短期大学等入学志願動向
   ・ 私学経営情報
      @のアンケート結果を研究分析し、「学校法人の経営改善方策に関するアンケー
   ト報告」として公表する。
(4) 国公私立大学等が進める大学ポートレート(仮称)構想に連携して、私学版大学ポートレートを事業団で構築する。
 @ 私学版大学ポートレートのシステム開発を引き続き行い、年度内に稼働させる。
 A 発足が予定されている運営委員会や大学ポートレートセンターと連携して、大学ポー
 トレートの広報活動等を行う。
(5) 学校法人会計基準の改正等に伴う収集する情報の改変に対しては、適時適切に各種調
 査の変更や既存システムの見直しなど必要な措置を講じる。
 @ 学校法人会計基準の改正に伴い、学校法人基礎調査等各種調査に係るシステムの開発
 を行う。
 A 学校法人会計基準の改正に伴い、「今日の私学財政」で提供している財務比率の改正
 に向けた検討を行う。

4 受配者指定寄付金事業

(1) 受配者指定寄付金制度の利用促進に向けて以下の取組を行う。
 @ ホームページ、広報誌等に制度に関する情報を掲載する。
 A 学校法人の募金活動を支援するためのパンフレットを作成し、学校法人、都道府県主
 管課等に配布する。
 B 幼稚園から高等学校までの学校を設置する学校法人に対して、制度を周知するための
 パンフレットを作成し配布するほか、ホームページ等で公表する。

5 学術研究振興基金事業

(1) 学術研究振興資金制度の見直しや周知について、以下の取組を行う。
  @ 社会のニーズや学術研究に貢献する研究に対する助成金として「学術研究振興資金」
 と「若手研究者奨励金」を交付するため、採択基準の適時適切な見直しを行うととも
 に、より適切な審査を行うため、選考審査書類の改善を図る。
 A 広く一般の研究者等に対し研究成果を公開するとともに、制度の周知を図る。
 B 選考審査の客観性及び透明性を確保するため、採択基準、応募状況、採択状況を引き
 続き公表する。
(2) 経済界、私学関係者等広く一般に学術研究振興基金への理解と協力を得て、基金の増額を図るため、事業団ホームページや広報誌の活用、募金趣意書の配布などにより広報活動の強化に努める。

6 事業に関する情報開示

(1) 私立大学等経常費補助金、受配者指定寄付金及び学術研究振興資金の交付先等の事業に関する情報については、ホームページ等を活用した積極的な情報開示を行う。
(2) 公表すべき資料については速やかに開示するとともに、原則として開示と同時にホームページに掲載する。

U 業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置

1 効率的な業務運営体制の確立

私学を取り巻く経営環境の変化に伴い、経営相談の充実及び学校法人の経営基盤の整備に対する重点的支援が求められ、事業団の機能の充実が一層重要になっている。経営相談、融資及び補助金業務の充実を図るとともに効率的かつ機能的な組織運営を推進するため、必要に応じて組織編成、人員配置の見直しを行う。

2 経費等の見直し・効率化

一般管理費、総費用については、以下の取組を行い、効率化に努める。
(1) 予算の執行状況を定期的に精査し、効率的執行に努める。
(2) 貸付財源の調達について、調達日と貸付日との期間を短縮し、借入金利息の軽減に努める。
(3) 一般競争入札により、調達価格の削減に努める。
(4) 節電行動計画を策定し、使用電力の削減に努める。

3 契約の適正化

契約の適正化について、以下の取組を行う。
(1) 真にやむを得ないものを除き、原則として一般競争入札によることとする。
(2) 契約状況について、毎月、監事による監査を受ける。
(3) 契約状況について、引き続きホームページに公表する。

4 内部統制の充実・強化      

理事長のリーダーシップの下、法令等を遵守しつつ業務を行い、事業団の目的を有効かつ効率的に果たすため、以下の取組により、内部統制の充実・強化を図る。
(1) 法人のミッションの周知徹底
中期目標・中期計画を踏まえた事業団としてのミッションを有効かつ効果的に果たすため、理事会、運営審議会、執行役員会議等における審議内容について、全職員に対して周知徹底を図る。
(2) 外部監査の実施
   監事監査、監査室による内部監査に加えて、会計監査人による外部監査を引き続き実施し、業務の適正かつ効率的な運営を確保するとともに、財務諸表の適正性及び信頼性を高める。
(3) 内部監査の充実・強化
内部監査については、監事監査と連携を保ちながら、中期計画に基づき定期監査を実施する。実施にあたっては、重点事項を定めて業務運営の実状を調査のうえ、業務の効果的かつ効率的執行及び会計経理の適正を図るために必要な助言等を行い、助言を行った事項についてはその措置状況を検証する。
(4) リスク管理
中期目標の達成を阻害する課題(リスク)の把握と対応を適切に行う体制を維持し、リスクの対応を確実に行う。業務の適正な進捗管理を行い、事業団の目的や中期目標の達成を阻害する要因(リスク)の把握・対応に努める。
(5) 情報セキュリティの維持・改善
管理する情報の安全性向上のため、情報セキュリティの維持・改善に努めることとし、以下の取組を行う。
@ 政府機関統一基準の改訂に基づき、事業団情報セキュリティポリシーの見直しを図る。
A 情報セキュリティ対策を適切に実践するため、情報セキュリティ研修等を通じて、役職員の情報セキュリティに対する理解を深める。

V 予算(人件費の見積もりを含む。)、収支計画及び資金計画

1 収益の確保、予算の効率的な執行、適切な財務内容の実現

(1) 収支計画を作成し、当該収支計画に沿った適切な運営に努める。
(2) 刊行物の販売収入及び事務所内会議室貸与収入等の自己収入の確保に努める。

2 財務内容の管理・運営の適正化

(1) 事業ごとの厳格かつ客観的な評価・分析の実施を促進し、その結果を予算配分や業務運営の効率化に反映させる。
決算情報・セグメント情報の公表内容の充実を図る観点から、平成25事業年度決算内容のダイジェスト版及び財務状況の経年推移を作成し公表する。
また、財務諸表の適正性及び信頼性を高めるため、自主的に導入した公認会計士による監査を引き続き実施し、平成25事業年度独立監査人による監査報告書をホームページに公表する。
(2) 財務状態の健全性を確保するため、債権の適切な回収を図ることなどにより収支状況の改善に努める。特に、信用リスクに備えるため、適正な貸倒引当金の設定を行う。

3 人件費・管理運営の適正化       

経営相談、融資及び補助金業務の充実を図るとともに、業務の効率的執行により、引き続き人件費の抑制に努める。

4 予算

別紙1(PDF:31KB)

5 収支計画

別紙2(PDF:24KB)

6 資金計画

別紙3(PDF:25KB)


W 短期借入金の限度額

短期借入予定なし

X その他主務省令で定める業務運営に関する事項

1 施設・設備に関する計画       

施設・設備に関する計画予定なし

2 人事に関する計画

(1) 人事異動基本方針に基づき、職員の適性、各部署の業務の円滑な執行、当面の課題への取組などを十分考慮した人員配置を行う。
(2) 文部科学省文教団体職員採用試験の活用のほか、多様な方法により優れた人材の確保に努める。
(3) 今後の事業団に必要な人材を育成するという観点に立った工夫を加えつつ、研修実施要領に基づき、一般研修として管理職研修、係長・主任研修、新入職員研修、人事院式監督者研修等を、専門研修として実務研修、派遣研修を引き続き実施する。

3 研修等助成に関する計画

私立学校教育の振興上必要と認められる教職員の研修等に対する助成事業の充実を図る。

 

4 中期目標期間を超える債務負担

なし