中期目標等

日本私立学校振興・共済事業団の助成業務に関する第3期中期目標

平成25年2月28日指示

(序文)

日本私立学校振興・共済事業団法(平成9年法律第48号)第26条の規定により、日本私立学校振興・共済事業団(以下「事業団」という。)が達成すべき助成業務に係る業務運営に関する目標(以下「中期目標」という。)を定める。

(前文)

我が国の学校教育における私立学校が果たす重要な役割にかんがみ、教育基本法(平成18年法律第120号)、私立学校法(昭和24年法律第270号)及び私立学校振興助成法(昭和50年法律第61号)等に基づき、国及び地方公共団体は私立学校の自主性を尊重しつつ、私立学校教育の振興に努めているところである。

事業団の助成業務は、私立学校の教育の充実及び向上並びにその経営の安定を図るため、補助金の交付、資金の貸付け、受配者指定寄付金の受入れ・配付、学術研究振興資金の交付、経営相談その他私立学校教育に対する援助に必要な業務を総合的かつ効率的に行い、もって私立学校教育の振興に資することを目的としている。

少子化のさらなる進行により就学者が減少し、また学校間の競争が激化するなど、私立学校を取り巻く環境の変化を踏まえ、事業団は私立学校の教育の充実及び向上並びにその経営の安定のため、従来の業務の充実強化や特に経営支援業務の展開を図ることなど、私立学校教育の振興に関し国の施策と連携した取組が求められている。

このような理念のもと、平成25年3月までの第1期及び第2期中期目標期間における業務の実績についての文部科学省独立行政法人評価委員会からの評価結果や「『日本私立学校振興・共済事業団(助成業務)の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性』における指摘事項を踏まえた見直し内容」(平成25年1月28日文部科学省)等を踏まえ、事業団の助成業務に関する事務及び事業について見直しを行った結果、平成25年4月からの中期目標は以下のとおりとする。

T 中期目標の期間

事業団の助成業務は、私立学校の教育の充実及び向上並びにその経営の安定を図り、私立学校の教育の振興に資することを目的として実施されており、成果を得るまでには相当の期間を要するものが多いことから、中長期的観点から目標を定める必要がある。したがって、中期目標の期間は、平成25年4月1日から平成30年3月31日までの5年間とする。

U 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項

1 補助事業

(1) 各大学等に対する補助金の交付については、関係法令及び交付要綱等を遵守した適正な配分を行うとともに、「大学力」の向上のため、定員充足状況、教育情報・財務情報の公表状況、教育研究の質の向上に資する取組等に応じた増減など、明確なメリハリある配分・一層の重点投資を実施することで、私立学校のガバナンスの強化を推進し、経営基盤の強化を促進する。

(2) 各大学等に対し、補助金制度への理解を深め、補助金の適正な使用を周知徹底する取組を強化する。

(3) 文部科学省の補助金制度の見直し等の状況を踏まえつつ、学校法人に対する経常費補助金の配分方法の適時適切な見直しを行い、補助効果を高めることとする。

2 貸付事業

(1) 学校法人等の資金需要を踏まえて貸付規模を適切に把握するとともに、貸付財源の安定的確保に努める。また、適宜貸付対象となる事業、貸付条件の見直しを行う。

(2) 適切な与信審査などリスク管理機能の強化を図るとともに貸付債権の確実な回収に努め、事業の安定的な運営を図る。

3 経営支援・情報提供事業

(1) 学校法人の経営に関する指導及び助言を行う文部科学省と連携し、学校法人の経営改善及び安定に向けた経営の分析及び経営相談などの取組を強化する。

(2) 情報収集・調査結果を分析し、学校法人等の財務状況の改善等の参考となるよう、積極的な情報提供に努める。

4 受配者指定寄付金事業

      制度の趣旨、目的及び申請手続き等について、学校法人及び寄付者に広く周知することにより、学校法人への寄付の促進を図る。

5 学術研究振興基金事業

(1) 私立大学等における学術研究の充実を図り、真に必要な支援となるよう、社会のニーズや今後の学術研究に貢献するテーマを的確に把握する。

(2) 学術研究振興基金の趣旨・目的等の広報活動を強化し、寄付者の理解向上に努める。

6 事業に関する情報開示

(1) 私立大学等経常費補助金、受配者指定寄付金及び学術研究振興資金の交付先等の事業に関する情報については、ホームページ等を活用した積極的な情報開示を行う。

(2) 公表すべき資料については速やかに開示するとともに、原則として開示と同時にホームページに掲載する。

V 業務運営の効率化に関する事項

1 効率的な業務運営体制の確立

組織編成、人員配置を実情に即して見直すとともに、業績評価等を適切に行うことにより、効率的な業務運営体制を確立する。

2 経費等の見直し・効率化

事業団の助成業務の運営に関しては、社会情勢の変化等も勘案しながら、業務の徹底した見直しを進めるとともに、自己収入の増に努め、経費の見直し、効率化を進める。

3 契約の適正化

事業団の締結する契約については、真にやむを得ないものを除き、原則として一般競争入札によることとする。また、契約の適正な実施については監事による監査を受けるとともに、その契約状況を公表することとする。

4 内部統制の充実・強化

法令等を遵守しつつ業務を行い、事業団の目的を有効かつ効率的に果たすため、「独立行政法人における内部統制と評価について」(平成22年3月23日独立行政法人における内部統制と評価に関する研究会)及び総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から独立行政法人評価委員会等に通知した事項を参考に、内部統制の充実・強化を図る。

W 財務内容の改善に関する事項

1 収益の確保、予算の効率的な執行、適切な財務内容の実現

(1) 事業年度ごとに収支計画を作成するとともに、当該収支計画に沿った適切な運営に努める。

(2) その他必要な収益確保の観点から、自己収入の確保に努める。

2 財務内容の管理・運営の適正化

事業ごとに厳格かつ客観的な評価・分析を実施し、その結果を踏まえ事業への経費配分や業務運営の効率化に反映させる。また、財務状態の健全性の確保及び財務内容等の一層の透明性を確保する。

3 人件費の削減

役職員の給与に関しては、国家公務員給与の見直しの動向を踏まえ、必要な見直しを行う。

X その他業務運営に関する重要事項

1 施設・設備に関する事項

事業団における老朽化した施設・設備について、必要な改修を実施する。

2 人事に関する事項

業務に必要な専門知識の向上を図るため、職員の研修の推進を図る。

3 研修等助成に関する事項

私立学校教育の振興上必要と認められる教職員の研修等に対する助成事業の充実を図る。