中期目標等

日本私立学校振興・共済事業団の助成業務に関する中期目標

【沿革】   平成15年10月1日指示
平成16年3月29日変更指示
平成18年3月30日変更指示

(序文)

日本私立学校振興・共済事業団法(平成9年法律第48号)第26条の規定により、日本私立学校振興・共済事業団が達成すべき助成業務に係る業務運営に関する目標(以下「中期目標」という。)を定める。

(前文)

私立学校は大学の約8割、高等学校の約3割を占め、個性豊かで多様な人材を育成するなど、我が国の学校教育において大変重要な役割を担っている。

日本私立学校振興・共済事業団(以下「事業団」という。)の助成業務においては、このような私立学校の教育の充実及び向上並びにその経営の安定を図るため、補助金の交付、資金の貸付け、受配者指定寄付金の受入れ・配付、学術研究振興資金の交付、経営相談等の私立学校の教育と研究の援助に必要な業務を総合的かつ効率的に行うことを目的としている。

これからの社会においては、多様で個性ある人材の育成と様々な社会的なニーズヘの対応という面で、時代や社会の変化に機敏に対応できる私立学校のメリットが一層発揮されることが期待されている。他方、学齢人口の減少等に伴い、私学経営は厳しい状況にある。

このため、事業団においては、教育条件・経営情報支援事業の強化をはじめ業務内容を一層充実させ、私立学校のニーズに対応して各種事業を展開することにより私立学校の振興、基盤整備を図っていくことが求められている。

そのためには、業務の効率化と財務内容の改善によって生まれた資源を業務の質向上のために利用していく必要がある。こうした観点に配慮し、事業団の助成業務に関する中期目標を、以下のとおりとする。

T 中期目標の期間

助成業務は、私立学校の教育の充実及び向上並びにその経営の安定を図ることを目的として実施されており、成果を得るまでに相当の期間を要するものが多いことから、中長期的観点から目標を定める必要がある。したがって、中期目標の期間は、平成15年10月1日から平成20年3月31日までの4年6か月間とする。

U 業務運営の効率化に関する事項

1 共通事項

法人の行う業務について既存事業の徹底した見直し、効率化を進める。

一般管理費及び人件費について、中期目標期間の最後の事業年度において、平成14年度比で11%以上の効率化を図ること等により、中期目標期間中の毎年度において、対前年度比1%以上の水準を目標に総費用縮減に努め、事業全体の効率化を図る。

2 補助事業

経常費補助金の交付事務の簡素化、迅速化を図る観点から、学校法人に対する交付決定の時期を早期化し、中期目標期間中に1月までに行うこととする。

3 貸付事業

(1)  中期目標期間中の貸付金の回収率を高め財務基盤の健全性を図る。

(2)  中期目標期間末において、貸付残高に占めるリスク管理債権の割合を3.5%以下とする。

4 受配者指定寄付金事業

受配者指定寄付金の配付に当たり、厳正な審査を引き続き実施しつつ、事務手続の効率化を図り、1件当たりの平均処理期間を中期目標期間中に5%以上短縮する。

5 学術研究振興基金事業

学術研究振興基金の運用益による学術研究振興資金の交付について、厳正な審査を引き続き実施しつつ、内示の時期を早期化し、中期目標期間中に前年度2月までに行うこととする。

6 教育条件・経営情報支援事業

総合的な私学情報ネットワークの整備を図るとともに、私立学校に関する情報提供について整備を図る。

7 情報収集・提供・広報・普及啓発

(1)  ホームページや電子メールを活用した情報収集・提供等を促進することにより事務の効率化を図る。

(2)  学校法人等から事業団への提出物等について、電子媒体によることが可能となるように整備を推進し、事務の効率化を図る。

V 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項

1 補助事業

(1)  補助対象経費や補助金の交付条件等を学校法人に周知するとともに、それらの概要をホームページで公開する。

(2)  文部科学省の交付要綱の見直し等の状況を踏まえつつ、学校法人に対する経常費補助金の配分方法の適時適切な見直しを行い、補助効果を高めることとする。

(3)  経常費補助金の交付先及び交付額をホームページ等で公開する。

2 貸付事業

(1)  「特殊法人等整理合理化計画」(平成13年12月19日閣議決定)の趣旨も踏まえた貸付制度とするとともに、貸付条件(貸付金利、貸付期間、融資限度額等)の適時適切な見直しを図る。

(2)  学校法人等に対し、貸付対象となる事業、貸付条件等の貸付制度を周知するとともに、併せて、融資情報をホームページで随時公表するなど、情報提供を実施する。

(3)  学校法人等に対する貸付けの資金需要に的確に対応するため、その財源を長期勘定からの資金の融通、私学振興債券及び長期借入金により、安定的に確保する。

(4)  貸付けまでの平均審査期間を中期目標期間中に5%以上短縮するとともに、学校法人等の利便性を向上させるため、貸付審査のための提出書類の簡素化を図る。

3 受配者指定寄付金事業

(1)  受配者指定寄付金の取扱いについて、学校法人に周知するとともに、それらの概要をホームページで公開する。

(2)  受配者指定寄付金の申請の受付から審査決定に要する平均審査期間を1%以上短縮とする。(平成15年度に限る。)

(3)  受配者指定寄付金の配付先及び募金対象事業をホームページ等で公開する。

4 学術研究振興基金事業

(1)  学術研究振興基金の運用益による学術研究振興資金の交付条件等を学校法人に周知するとともに、それらの概要をホームページで公開する。

(2)  学術研究振興資金の交付に当たり、客観性及び透明性の確保を図るため、採択基準を策定し、採択の審査を行うとともに、各研究分野の委員による総合的な審査を実施するなど審査方法の適時適切な見直しを図る。

(3)  学術研究振興資金の交付対象事業の評価を適切に行い、翌事業年度以降の効率的・効果的な交付に反映させる。

(4)  学術研究振興資金の交付を受けて行われた研究の成果を普及させるため、研究結果を公開させるとともに、学術研究振興資金の交付先及び交付額をホームページ等で公開する。

5 教育条件・経営情報支援事業

(1)  私学経営相談センターの機能を充実し、経営改善を必要とする学校法人に対して経営困難に陥る前の相談を実施するなど経営相談を充実・強化することによって健全な法人運営を支援する。

(2)  総合的な私学情報ネットワークを整備し、私立学校に関する情報提供を推進する観点から、提供された私立学校に関する情報の活用度調査を行い、活用度を高める。

6 情報収集・提供・広報・普及啓発

(1)  公表資料については速やかに公表するとともに、原則として公表と同時にホームページに掲載する。

(2)  学校法人等に対する情報提供システム(私学データ作成システム、学校法人情報検索システム及び今日の私学財政閲覧システム)の情報の更新に要する期間を中期目標期間中に2か月以内とする。

W 財務内容の改善に関する事項

1 収益の確保、予算の効率的な執行、適切な財務内容の実現

業務運営に必要な収益を確保する観点から、新たな収入源の確保を図る。

2  財務内容の管理・運営の適正化

事業団の業務を継続的かつ安定的に実施するため、信用リスク、市場リスク等のリスク管理を行うことや債権の適切な回収を図ることなどにより、財務状態の健全性の確保及び収支状況の改善を図る。

3  人件費の削減

法人は、「行政改革の重要方針」(平成17年12月24日閣議決定)の趣旨に沿って独立行政法人等が行う人件費削減の取組を参考としつつ、同様の取組を行う。

X その他業務運営に関する重要事項

1 施設・設備に関する計画

施設・設備について、長期的視点に立った計画的整備の推進を図る。

2 人事に関する計画

能力を発揮できるような人事配置により業務の効率化を図るとともに、各種研修の実施等により職員の能力の向上を図る。